2005/12/30〜2006/1/7(7泊9日)の日程でツェルマットを訪問したレポートです。
1.写真集!
2.ゲレンデの印象
3.コースの特徴
4.その他の滑り関係の情報(雪質、天気、リフト待ちなど)
5.タウン情報(ショッピングなど)
6.滑走記録(搭乗リフト、滑走コース)
1.写真集!
説明の必要なし。まず見てください。
2.ゲレンデの印象
(このレポートは2006年お正月のレポートです。
雪はやや少なめの状態でのレポートです。
雪のコンディションが違えば印象は異なると思います。ご了承ください。)
まず、なんと言ってもマッターホルン。
谷の裏側に入らない限りはだいたいの場所から
その素晴らしい姿を現します。
とにかく、これなしには語れません。
滑っていても前を見ずついわき見をしてしまう
あの圧倒的な迫力は世界一ではないでしょうか?
まわりの山々も当然アルプスなので険しく、すばらしいのですが、
マッターホルンの前にはすべてかすんでしまいます。
今まで滑ったスキー場(シャモニー、エスパスキリー、ウィスラー、トロアバレー)
どこも眺めは良かったですが、
どのスキー場もこの山にはかないません。
アルプスの中でもマッターホルンは格別です。
まだ冬のグリンデルワルトに行ったことがないのですが、
もし唯一対抗できるとすれば
グリンデルワルトくらいでは?
氷河もなかなか立派です。
ゴルナーグラート上部からは大きな氷河の流れが見えます。
ただ残念ながら冬場は雪に覆われるので、
夏のようにははっきりとは見えません。
さて、一応スキーをしに来た訳ですから
スキーの説明もしなくてはならないのはわかっています。
でも、ここでは、景色がなんと言っても一番重要です。
1に「観光」、2に「滑り」と考えましょう。
私の場合、好天に恵まれ6日間のうち、4日半晴れました。
スネガ、ゴルナーグラート、クラインマッターホルン、チェルビニア
すべての方角からマッターホルンを眺めることができました。
どれも本当に雄大な姿でした。
エリアはスイス側に3箇所、左(東)から
スネガ、ゴルナーグラート、クラインマッターホルン。
そしてクラインマッターホルンの上部から
尾根の反対側になるイタリア側に滑り込むことができます。
イタリア側には2箇所、
チェルビニアとバルトルナンシュのエリアがあります。
つまり全部で5つのエリアがあるわけですが、
今回はバルトルナンシュがまだオープンしていませんでしたので、
4箇所のエリアを滑りました。
スネガからは東壁と北壁が半々に見え、一番きれいな姿といわれてます。
ただしスネガの上の方に上がると、
北壁の奥の出っ張りが見え始めるので、やや不恰好かなと個人的には思ってます。
スネガの中腹部からのマッターホルンがベストですね。
ゴルナーグラートからはほぼ東壁、ちょっとだけ北壁が見えます。
ここもかなり美しい姿です
クラインマッターホルンでは
マッターホルンが近いので非常に大きく見え迫力があります。
中腹部ではほぼ東壁だけが見えていますが、
上部まで行くと南壁が見えてきます。
南壁はいわゆる「肩」があり、
四角錐のピラミッド型ではなくなってきます。
なのでクライン上部になると三角形ではなくなってきます。
クラインでは形としては崩れてきますが、迫力は一番です。
個人的には実はこのクラインマッターホルンの
「中腹」
から見えるマッターホルンが一番気に入りました。
その大きさと迫力は圧倒的です。
特に午後になって太陽が西に傾くと、
岩の陰影がはっきりしてきてすごく綺麗です。
さらに時間が進むと逆光になり、
明るい空に影となって見えるマッターホルンもまた美しい。
さらにチェルビニアに入ると、
完全に南壁の眺めになります。
ここではもうマッターホルンとは思えないような形になります。
山頂も、とがってないし、
マッターホルンから続く尾根がだいぶ視界に入りますので、
マッターホルンの存在感が薄れてきます。
ここでは別の山のようです。
名前もイタリア側では「モンテチェルビーノ」という名前です。
さてゲレンデ自身はどうかというと、
まずスイス側は「暗い」。
暗いとは基本的に北斜面なので日陰になっている時間が長いのです。
そしてイタリア側は明るい。
いつも太陽が見えてます。
そしてスイス側にはアイスバーンが多い。
イタリア側はアイスバーンが少ない。
スイス側は中斜面と急斜面。
イタリア側はどこまで行っても中斜面。
北米のダブルブラックダイヤモンドのようなコースは見てて発見できませんでした。
どこかにはあると思うのですが、
なんか「あそこ行けそう」「面白そう」というようなところは
滑っていて見つけられませんでした。
と言うよりマッターホルンに見とれてて見逃した可能性がありますが...(^^;)
つまり、今回滑った範囲で「滑る」ということだけを考えれば、
高速カービングをひたすら満喫できるイタリア側のほうが楽しいという印象です。
とにかくひたすらかっとんでカービング!
ただしアイスバーンには注意!
唯一の「滑った」と言えるオフピステは7番の上の方、
降雪後はオススメです。詳細は後で。
コブは全くありません。コブ好きな方、あきらめましょう(^^;)。
私はコブ好きですが、そんなことを忘れさせてくれる魅力がここにはあります。
モーグルの板しかもっていない方はスパッとあきらめてレンタルしましょう。
雪があればファットを借りてオフピステ三昧。
雪がなければクロス系の板でカービング三昧でもいいし。
臨機応変で行きましょう!
今回、不思議なのはそれぞれのコース、
特にスイス側ではコースがどのような状況だったか
あまり覚えてないのです。
よ〜く思い出してみると覚えている部分もあります。
でも覚えているコースは必ずマッターホルンの見えない場所です。
つまりマッターホルンが見える場所では
山を見て滑っているのでコースを覚えてないのです(^^;)
こんなこと初めてです。繰り返しますが、
ここでは、
1に「観光」、
2に「滑り」
です。
ゲレンデレポートは次の項で。
3.コースの特徴
1項で「景色が最高」とべた褒めしたのには、
裏の理由もあります。
「観光」ではなく「滑る」ことを主眼にしてスキー場を判断すれば、
エスパスキリー、トロアバレーなどにはかないません。
もちろん国内のスキー場に比べれば、
大変広大で気持ちのいいスキー場であることは疑う余地はありません。
でも雪は十分ではなかったですね。
今年吹き荒れている、日本の豪雪には遠く及びません。
ゴルナーグラートの登山電車の頂上駅(ゴルナーグラート駅、3089m地点)より上部は滑れません。
ホーテリーはロープウェイの中継点として行くことはできますが、
そこからは滑れません。
ストックホルン行きのロープウェイは完全運休。
今回事前に調べていた楽しそうなオフピステは
これらの場所にあったので完全NGです。
またイタリア側のバルトルナンシュは全面クローズでした(チェルビニア側はOK)。
ここでは風が強いためか、
上部であっても雪がつきにくいようです。
こんな状態ですから、オフピステなどとてもまともに入れません。
コース脇の雪がたまっているところを何度も入りましたが、
毎回岩を踏む有様です。
気分も良くないし、危険。
ガイドは「雪があればここも滑れますよ〜」と
おいしそうなところを何箇所か説明してくれたのですが、
やはりたいてい1月は無理なようです。
去年(2005年正月)、トロアバレーもかなりの雪不足で、
岩も多数踏みましたが、
通常の滑走コースはほぼ全面をオープンしていました。
ですのであの広大なエリアを十分堪能できました。
しかし、マッターホルンでは公称の総延長距離250kmのうち、
実際に滑走可能な距離は半分位いだったと思います。
結果的に、有名な割にはあまり「広い」という印象を持てませんでした。
もちろん日本のスキー場と比較すれば、ものすごく広いのですが、、、。
オフピステにあまり入れなかったので当然滑るところは圧雪されたコース。
圧雪状況は朝はきちんとされています。
どこもスキー場上部はいい状態です。
圧雪とともなって快適なカービングが満喫できます。
しかし中腹くらいから、やや凍っている部分がでてきて、
気を抜けなくなってきます。
また、上部に比べ中腹の方が急斜面があり、
凍っているのもあいまって、けっこう疲れます。
まだコブでもあれば滑りやすいのですが、
ここではコブは嫌われているようで
どこへ行ってもコブらしいコブはありません。
スネガとゴルナーの2箇所だけにほんとお情け程度のコブがありましたが、
ボトムは雪がはがれていてとても満足できるものはありません。
スネガ、ゴルナーグラートはマッターホルンを眺めるには最高でしたが、
斜面的にはコンディションが悪かったこともあり、
あまり好きな斜面はありませんでした。
スイス側で薦めるならやはりクラインマッターホルンのエリアですね。
距離も長く、ヨーロッパスタイルを感じることのできるエリアでした。
また最後の方はアイスバーンであったり、平らな部分があったりはしますが、
尾根、谷、林間といった具合で変化があって面白かったです。
クラインの上のほう、たいらなところがあります。
スノーボードの人は勢いをつけていきましょう!
・お勧めコース
今までほとんど「滑る」という意味では褒めていないのですが、
その中でもいくつか気に入った場所はあります。
オススメなのはチェルビニアの「7番」。最高の中斜面です。
チェルビニアの町まで続くロングコースです。
基本的にイタリア側は南側なので日が当たって気分も良い。
全体を通じてしっかりとエッジの効く斜面で
息が切れるまで続ける高速カービング。これが最高でした。
さらには7番上部からちょっとトラバースした
広大な中斜面のオフピステ。
降雪直後はここを滑りましょう。
しかもあまり滑っている人はいませんでした。
降雪後3日後に入ったときにはクラストしてて今一でしたが、
降雪直後に入ったときは最高の斜面でした。
斜度も30度ないのでんどの人は問題ないと思います。
ボードだったらなおさらOK!
あとクラインマッターホルンの「70番」。
「滑る」というより夕方のマッターホルンが美しいと言う意味でオススメです。
4.その他の滑り関係の情報
・積雪
雪、無かったですね。
とにかくオフピステはほとんどだめ。
通常コースも滑れるのは半分。
その中でもまともに雪がついているのは上部の方か、
降雪機が設置されている部分。当然、急斜面はアイスバーン。
とにかく訪問する前の週は1週間ほとんど晴れっぱなしでした。
そして私がツェルマット入りした夜に降雪があり、
その次の次の夜も降雪があり、
滞在中、2回、夜だけ少しだけ降りました。
まとまったというほどの降雪ではなく、
雪不足を補うことはできませんでした。
「ツェルマットは確実に雪がある」と事前に聞いていたのですが、
その意味は「あるところにはある」と言う意味でした。
てっきり「全面滑走」を想像していた私にはちょっと残念でした。
2006/1/8でのコースオープン状況
ご覧のようにホーテリ、ストックホルン付近は滑れません。
・天気
とっても寒い。
04年のウィスラーよりはマシでしたが。
間違いなく、過去のヨーロッパスキーの中では最も寒かったです。
でも私の訪れる前の週はもっと寒かったそうです...。
クラインでは毎日−25度以下だったとか...。
私の場合、前半は比較的温暖で、街中では0度、
山頂でも−10度くらいでした。
でも最後の2日間は街中でも−10度。
山頂は−20度位になりました。
特にクラインマッターホルンの山頂付近はやばいです。
前半の暖かい日でも、耳が凍傷になりかけました。
いつもここまで寒いのかはわかりませんが、
天気が良かったせいもあるかも知れません。
ほとんどずっと晴れていました。
ひょっとして夏より天気がいい?
たまたまかも知れませんが...。
あとクライン山頂、及びイタリア側は風が出ます。
一度チェルビニアから帰ってくる最後のリフトで強風に見舞われ、
動いては止まるの繰り返しで30分くらいかかりました。
もうちょっと吹いたら帰れなくなったかも...。要注意です。
滞在中1日はチェルビニア全面クローズでした。
最終日はツェルマット側は雲一つなし。
一方チェルビニア側は一面の雲海。
まさしくこの尾根が地中海側と北海側の分かれ目と感じました。
・リフト待ち
ほぼ0でした。
やはりヨーロッパは空いていますね。
チェルビニア側は若干並ぶこともありましたが、
気になるほどではなし。
ウィスラー(2004年正月時)のような混雑はありませんでした。
面白いのはイタリア人。
ゴンドラ乗り場でもゴンドラの中でも大声で話す。
いつでも陽気でおしゃべり大好きと言う感じですね。
問題もあります。ロープウェイが多く板を脱ぐ機会が多い。
混雑はしてないですが待ち時間があります。
行きたいところに行くのに大抵何本か乗り継ぎが必要。
必要なところに一発で移動できるエスパスキリー・トロアバレーなどに
比べると効率が悪い。
さらに、それぞれのゲレンデが下でつながっていないので、
街の中のバス移動が必要。
例え行列が無かったとしても
ホテルを出てからクラインマッターホルン山頂まで
あがるのには約1時間かかります。
チェルビニアで昼食&散歩をした日は、
事実上1日2本の滑走です。
クライン山頂からチェルビニアの街で1本。
クライン山頂からツェルマットの街でもう1本。
でも標高差で1800m+2200mですから、
滑走距離で15km程度は滑ってはいますが。
まあ今回はフェローだったのでかなりゆったりプランではありました。
でも仮に個人でしゃかりきに滑ったとしても、
それほど距離を伸ばせなかったと思います。
そんな場所です。
(ちなみに2005年のトロアバレーでは毎日30km滑ってました。)
Tバーはそれほど多くないです。結構リフトは最新式です。
6人乗りも何本かあったし、
スネガでは同じロープにゴンドラとリフトが交互に
ついていると言う面白いものも見ました。
・日本人/外国人の数
日本人、全くいないです。
ゲレンデであった日本人はフェローを除くと1人だけ。
町で見かけた日本人もたった一組。
夏には日本人だらけになる町ですが、
冬こそヨーロッパ最高級クラスのリゾート、
「ツェルマット」
を体感できる気がしました。
5.タウン情報
6.滑走記録
数字の後がリフト類の名前
(
)内が滑走したコース番号
12/31 (ゴルナーグラート)
前日深夜に到着したので朝もゆっくり出発。
1.
N1,N2,N3
(36)
2. M
(37)
−− ランチ −−
3. M
(29,26)
4. G
5.
K
(36,39 RiffelAlpまで)
6. N1(下山)
1/1
(クライン〜チェルビニア)
元旦。でも朝早くからしっかり起きて滑る。
1. P1
2. O2
3.
O3
(85,84,6)
4. T 5. F
(7)
−− ランチ −−
(36,7)
6.
F
(80,73)
7. V
(72,66,64)
8. S
(51,50)
1/2
(クライン〜スネガ)
チェルビニアの街を散策予定だったが、強風のためチェルビニア全面クローズ。急遽スネガへ。
1. P1
2.
O2
3. V
(72,66,64,62,50)
−− バスでスネガへ移動 −−
4. A1
5. A2
6.
A3
(11,7,6)
−− ランチ −−
7. C
(4)
8. D
9. A3
(12)
10.
E
(19)
11. F
(8,1,3)
1/3
(クライン〜チェルビニア)
チェルビニアでランチ&散策。
1. P1
2. O2
3.
O3
(85,7,39,3)
4. A
(5)
−− ランチ −−
5. b
6. A
7. N
8.
O
9. P
(80,73,66,63,62)
10 P1(下山)
1/4
(スネガ〜ゴルナーグラート)
今日はフリー。
1. A1
2. A2
(7)
3. A2
(8)
4.
D
5. A3
6. (19)
7. G
8. K(下り)
(36)
−− ランチ −−
9.
M
(36)
10. M
(29,27)
11. N2,N3
(36,39)
12.
N1(下山)
1/5 (クライン〜チェルビニア)
今日もフリー。すでに疲労でヘロヘロ。
1. P1
2.
O2
3. O3
(85,7)
4. F
(7)
5. A
6. N
7. O
8.
P
(6)
9. P
(80,73,66,64)
10. S
−− ランチ −−
(61)
11.
U1,U2
(70,62,50)